【映画】『Le Grand Blue』(1988) 人間の限界を超えたフリーダイバーと海、映像、音楽の美しさに惚れる。
『Le Grand Blue』 (1988)
Le Grand Blue: The Big Blue [DVD] [Import]
- アーティスト: Le Grand Blue: The Big Blue
- 出版社/メーカー: Imports
- 発売日: 2010/04/27
- メディア: DVD
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THE 不朽の名作
世界記録に挑む二人のフリーダイバーのそれぞれの人生とその友情、そしてフリーダイバーに恋をした女性の心の葛藤を描いています。
どこまでも過酷でかつ美しいフリーダイビングの世界。綺麗な海中を静かで力強いBGMと共に見ていると、海の底までひきこまれそうになります。
ダイバーであろうとなかろうと、必見の作品です。
「ジャック・マイヨール」という実在した人物の人生に基づいた映画であるものの、これが人間のなせる技であるのかと何度見ても考えてしまいます。
ジャックは人間というよりもむしろイルカに近く、
人間と思わずイルカと思ってみたほうがしっくりします。
スキンダイビング、フリーダイビングって?
この作品を見るまではスキューバダイビングにしか興味ありませんでしたが、
スキンダイビング、フリーダイビングの存在をこの映画で知るようになりました。
人間があれほどまで長時間そして深いところへ酸素ボンベなしで潜っていられることを想像すらしていませんでした。自分にできるできないではなく、同じ人間のなせる技なのか、と今でも不思議でなりません。
スキューバであれば、酸素がタンクに残っている限り息はでき、長時間水の中で自由自在に楽しむことができ、海洋生物ともより触れ合えると思っていました。
そして、長時間深いところに自分の肺の空気だけで潜ることは、苦しく辛いことであるとしか思っていませんでした。
ジャックが身一つでイルカと共に自由自在に戯れ泳ぎ回る姿を見るまでは・・・
あの泳ぎはスキューバではできない・・・なんて自由なんだ!!
スキンダイビングを始める大きなきっかけとなりました。
フリーダイバーに恋をして
物語の中で、主人公にジャックに恋をする女性ジョアンナが登場します。
ジョアンナを見ていると心が苦しくなります。まっすぐジャックを見つめ少しでも気を引こうとしますが、ジャックはなかなか心を開いてくれません。
ラストは二人の衝撃的な展開で幕を閉じます。
本当の意味で結ばれたと言ってもいいのか、本当は結ばれていないと言えるのか。
考え方は人それぞれでしょう。
私は、結ばれてない、と考えます。
ジャックがジョアンナのいる部屋を離れイルカと遊んでいるシーン。
ジョアンナと一緒にいる時よりもキラキラしているジャックの姿を見て、ジョアンナは、あの結末になることを予想していたのかな、とも思います。
それでも追い続ける愛の力。
ジャックに対するジョアンナの思いと、イルカに対するジャックの思いが重なりました。ジョアンナはジャックと、ジャックはイルカと、最終的には結ばれたと考え人もいるでしょう。
海の映像と音楽の美しさとは反した愛するものへの届かぬ思いが溢れています。
是非、ご覧下さい。